COLUMN
アーユルヴェーダコラム
2025.10.01
アーユルヴェーダの歴史
🌿アーユルヴェーダの歴史|5000年続く「いのちの知恵」
アーユルヴェーダとは?
アーユルヴェーダ(Ayurveda)は、サンスクリット語で
「アーユス=いのち」「ヴェーダ=知恵」
を意味します。
つまり、アーユルヴェーダは“いのちの知恵”という名前の通り、
健康で幸せに生きるための叡智として5000年以上の歴史を持つインド伝統医学です。
5000年前、インダス文明からはじまった
アーユルヴェーダの起源は、古代インドのインダス文明(紀元前3000年頃)までさかのぼります。
当時から人々は「自然と調和して生きること」を重視し、
病気の原因を外からではなく“内側の乱れ”に見出していました。
その知恵は長い年月をかけて体系化され、
紀元前1000年ごろに編まれたといわれる古代の聖典『ヴェーダ』の中に、
アーユルヴェーダの原型が登場します。
チャラカとスシュルタ ― 医学書の誕生
紀元前1000〜500年ごろには、
アーユルヴェーダの二大古典と呼ばれる
『チャラカ・サンヒター(Charaka Samhita)』と
『スシュルタ・サンヒター(Sushruta Samhita)』が編纂されました。
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チャラカ・サンヒター:内科や生活法を中心とした「予防と健康維持」の書
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スシュルタ・サンヒター:外科や治療法を中心とした「医術の技術書」
この頃、アーユルヴェーダは単なる民間療法ではなく、
医学・哲学・心理学を含む「総合的な生命科学」として確立していきました。
仏教とともに世界へ広がる
アーユルヴェーダはその後、仏教の伝来とともに
スリランカ、チベット、中国、そして東南アジアへと広がりました。
日本にも、奈良時代に「薬草学」「養生法」としてその知恵が伝わったといわれています。
現代に生きるアーユルヴェーダ
現代では、アーユルヴェーダは「代替医療」や「ウェルネス」「セルフケア」の分野でも注目されています。
ハーブ、オイルトリートメント、食事法、瞑想など、
ライフスタイルの中で心と体を整える実践として世界中に広まっています。
アーユルヴェーダの魅力は、自分の体質(ドーシャ)を知り、自然のリズムに合わせて暮らすこと。
それは、現代社会のストレスや不調を見直すヒントにもなります。
アーユルヴェーダは、
「病気を治すため」ではなく「健やかに生きるため」の知恵として生まれました。
5000年前から変わらず受け継がれているこの叡智は、
今を生きる私たちにも“心地よく生きるヒント”を届けてくれます。