COLUMN
アーユルヴェーダコラム
2025.10.15
アーユルヴェーダの食事法|心と体を整える“6つの味”の知恵
🍽️アーユルヴェーダの食事法|心と体を整える“6つの味”の知恵
「食べること」は“いのちをつくること”
アーユルヴェーダでは、食べ物は単なる栄養ではなく、
心・体・意識をつくるエネルギーそのものと考えます。
そして、バランスのとれた食事の基本となるのが
6つの味(ラサ)=“甘味・酸味・塩味・辛味・苦味・渋味”です。
この6つを上手に取り入れることで、
体のバランスが整い、心までも穏やかに整っていきます。
🌿6つの味(ラサ)の基本
| 味 | サンスクリット語 | 主な性質 | 例 | 体に与える影響 |
|---|---|---|---|---|
| 甘味 | Madhura | 滋養・安定 | 米、はちみつ、ミルク、果物 | 体を潤し、落ち着きを与える |
| 酸味 | Amla | 活性・温める | 柑橘類、ヨーグルト、酢 | 食欲促進、消化を助ける |
| 塩味 | Lavana | 温め・柔軟 | 塩、味噌、海藻 | 水分保持、代謝を促進 |
| 辛味 | Katu | 刺激・発散 | スパイス、しょうが、にんにく | 冷え解消、血流促進 |
| 苦味 | Tikta | 浄化・冷却 | ゴーヤ、ハーブ、ケール | デトックス、熱や脂を冷ます |
| 渋味 | Kashaya | 収れん・安定 | 緑茶、豆類、未熟果実 | 体を引き締め、過剰なものを抑える |
🌞なぜ「6つの味」をバランスよくとるの?
私たちはつい、「好きな味」ばかりを選びがちです。
たとえば、ストレス時に甘いものばかり、暑い日に辛いものばかり…
でもアーユルヴェーダでは、偏った味=ドーシャの乱れにつながると考えます。
例えば――
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ヴァータ(風)タイプ → 温める「甘・酸・塩」を中心に
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ピッタ(火)タイプ → クールダウンする「甘・苦・渋」を多めに
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カパ(水)タイプ → 軽やかにする「辛・苦・渋」を意識して
つまり、6つの味はドーシャを整えるスパイスのようなもの。
体質に合わせてバランスをとることで、自然と体調や気分も安定します。
🍵実践!アーユルヴェーダ的・一日の食のリズム
朝(カパの時間)|軽く温かくスタート
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白湯、スパイス入りのハーブティー(シナモン・しょうがなど)
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おかゆや温かいスープなど消化にやさしいもの
昼(ピッタの時間)|一番しっかり食べる
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6つの味を意識したプレートを
(例:ごはん+豆カレー+野菜炒め+ヨーグルト+ハーブティー)
夜(ヴァータの時間)|軽く・早めに・温かく
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スープ、野菜の煮込み、キチュリ(豆と米のお粥)など
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寝る2〜3時間前に食事を終える
🪶食べ方のコツもアーユルヴェーダの大切な智慧
アーユルヴェーダでは、「何を食べるか」よりも
「どう食べるか」を大切にします。
🍽 食事の心得
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静かで落ち着いた環境で食べる
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感謝の気持ちで味わう
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温かい食事をとる
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食べすぎない(腹八分目)
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食後は10分ほどゆっくり座る
🌿“食べる”という行為自体が瞑想であり、セルフケア。
食事を通して、自分の心と体を観察することがアーユルヴェーダの本質です。
アーユルヴェーダの6つの味は、
ただの味覚ではなく、「体と心の調律ボタン」です。
今日の気分、体の重さ、季節の変化に合わせて、
少しずつ“味のバランス”を整えてみましょう。
食卓が変われば、心の風景もやさしく変わっていきます🍃